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秋田県の放射線物質状況 2011/7/21

2011年7月21日 21:33

 昨日、秋田県の放射線物質への取り組み状況などを聞き取りに、県庁に行ってきた。 

 私も子供がいる親としても、こういった問題はどうしても常に状況を把握しておきたいし、子供たちのためにも安全な環境を作っていきたいと思う。そしてその内容を住民の皆さんにわかりやすく説明したいし、おかしい所は声を上げる義務や責任があると思っている。

 

7月21日現在の秋田県放射線物質の状況報告です。↓

 

 < 状 況 報 告 >

 前回聞き取り調査し、「秋田市と湯沢市以外でも検査を」とお願いした時よりも、さらに調査箇所が広がっている点が良かった。

http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1300698721800/index.html

 県内12の市町村の庁舎付近と34か所の幼小中高養学校で、地上から1cm、50cm、100cmと空間線量の計測をしている。

 そしてその計測の結果、現在の秋田県は、どの地域でも放射線物質の問題が少ないレベルであることに少しホッとした。

 放射線.jpg

 

 

 昭和30~40年代から、世界中で核実験が行われ、大量の人口放射線物質が世界中に飛来した事実を受け、秋田市でも放射線物質調査を実施を開始していて、このデータが今の状況と少し比較になる。

 昭和40年前後は放射線に対する人的影響の度合いを計測出来なかったりしたため、昭和45年からは人的影響があると思われるγ線をリアルタイムで測定できるようにしたとの事。(秋田市だけだが) 

 そこからちゃんとしたデータを取っており、昭和51年には中国の核実験、昭和61年にはチェルノブイリの事故があり、その時は特にグンと計測数値が上がったという結果が出ている。

 

 

比較)●チェルノブイリ原発事故時の秋田市 

   観測:昭和61年5月1日~22日まで計測

   ①ヨウ素131…629メガベクレル/平方キロメートル

   ②セシウム134…115メガベクレル/平方キロメートル

   ③セシウム137…252メガベクレル/平方キロメートル

 

            ↓

 

  ●今回の福島原発事故時の秋田市(測定方法が多少異なるが) 

   観測:平成23年3月18日~2か月半の積算で計測

   ①ヨウ素131…217メガベクレル/平方キロメートル

   ②セシウム134…90メガベクレル/平方キロメートル

   ③セシウム137…118ガベクレル/平方キロメートル

 

 僅かだが今よりもチェルノブイリ事故時の方が数値が上との計測結果。比較するものがあり分かりやすい。

 

 

 この結果から秋田は今のところ大丈夫だろうとの判断でした。 

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 しかし、同じ日本で起きた事故より、8000km以上と遠いウクライナで起きた事故の方が影響が出でいたというのも、なんだか変な話だと思って調べてみた。

 簡単に言えばチェルノブイリ事故は圧力容器が丈夫だったので大爆発し、キノコ雲の高さが9000メートルとなって爆発規模が大きかったことが、広く汚染を拡散した原因のようだ。そこから風に乗って日本まで。。。

 

 そして今回の福島原発では、圧力容器の強度が十分ではないのが逆に幸いしたようで、圧力容器が初期の段階で早々と損傷し、穴が開いて汚染物質が漏れ出したので爆発しなかったが、その代わりに格納容器ビルが水素爆発したとの事。今は濃い放射性物質がちょろちょろと海や周辺に少しずつ出ているのが現状。

 しかもその放射線物質の量はチェルノブイリよりもはるかに多く、今だ熱く燃え上がっている燃料棒の温度を下げることも出来ていないし、問題は始まったばかりで収束には間違いなくまだまだ時間がかかる。拡散こそしていないが、これから周囲にじわじわと影響があふれ出て、人類の誰もが経験したことのない状況に突入することになるだろう。これかなりやばい。

どうなるのか、最悪の場合を考えると本当に恐ろしい。

 

 

 だがこんなことは日本中誰もが分かっている。

 

 

  今国がピンチだ、一つになって取り組んでていかなければならない、今こそ政官民一体となって動くべきだとこの何か月もずっと言われているが、4か月が経ち、夏真っ盛りになって一番電力を使うだろう時期まで来たのに方向性すら決めれていない現状。

 

想定外を想定しなければいけないと言っている中、想定しても動けないこの現状。

 

 

まだまだ一つになれていない。

被災地の人を考えると、本当に申し訳なく思う。

 

 

 足の引っ張り合いしてる場合じゃない。 答えは出ているはず。国民の大多数は脱原発、そして自然エネルギーへの転換を望んでいる。目標を持って早く前に進むべきだ。私たちは今、希望に飢えている。

 

 この間、「この土地は我々がご先祖様から譲りうけたものではない。次の世代から借りているものなのだ。(インディアンの言葉)」という言葉を見て、私はとても共感した。

 この大地を次の世代に返さなければならない我々は、二度とこのような惨事を起こさないようにしなければならない。

 

 暑ければクーラーをかけたいと思うし、電気がなければ経済が発展できないというのも理屈では分かるけど、次の世代に受け渡すのは経済の価値観より、安全や思いやりという価値観が先にあって欲しい。

 人類の進むべき道が試される時期に生きているものとして、なんとしても早くこの問題を進めていきたい。

 

 なでしこ熱でせっかく上がったこの気持ちも、原発の事を考えれば、またいつものどこか晴れない、楽しめない気持ちに戻ってしまうのがとてもつらい。

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