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秋田内陸線鉄道

2011年8月27日 17:21

先日、秋田内陸縦貫鉄道株式会社の若杉社長が辞意を表明したというニュースに大変驚きました。

 

若杉社長の経歴は多くの県民が知る所で、リクルートの広報室長、安比高原リゾートの責任者などを歴任され、その後、累積赤字が1億円ほどあった秋田ふるさと村を立て直すために専務として来秋され、3年間で単年度黒字化に導かれました。

その一方で田沢湖高原リフトの社長も兼務され、立て直しを図らなければいけない秋田県の第3セクタ―の観光ビジネスでご尽力頂き、民間ならではの新しいアイディアと経営手腕で大きな成果を上げられて来ました。

横手市の観光協会や道の駅十文字の設立にも係わって頂き、秋田県のみならず、横手市においても重要な観光のキーマンとしてご活躍されております。

 

(※余談ですが、私も若杉社長とは秋田ふるさと村の職員時代から一緒に働かせて頂いており、その発想力と行動力、周りに与える影響力、そして構想を実現に持って行く組み立て方やそのお人柄など、非常に感銘と影響を受けました。また従業員や係わったスタッフにも「こんな人になりたい」と思わせる、不思議な力を持った人だと思っております。)

 

 

若杉社長はその手腕や能力を買われて、2009年6月に内陸線初の民間出身の社長として就任されました。

立て直し事が難しく、秋田県でも大きな課題となっているこの内陸線で、誰もが出来なかったことに挑戦し、アイディアと行動力を持って現状を「変えれる人」だと思っていただけに、改革半ばでの辞意は大変残念で仕方ありません。

 

(取り組みの一部) 

http://blog.livedoor.jp/nairikutetu/archives/50711771.html

 

 

内陸線は12年度に経常赤字2億円以内を達成できない場合、経営構造を抜本的に見直すことになっており、昨年の決算上で赤字は約2億5752万円と大変厳しい経営状況が続いています。

しかしこれは会社や社長の努力が足りないというレベルの物ではないと思っております。

 

 

定期券購入率や住民の利用が前よりも格段に落ち、周辺住民の乗車意識と危機意識が下がってきた事が大きな要因です。

この安心感を与えてしまったのが佐竹知事就任時の「内陸線は存続させる。」という発言ではなかったのかと思われます。

  

 

様々な取り組みを行っていても最後は「残したいという住民の意志」が重要になってきます。

「自分は利用しないけど、残して欲しい。」

「住民の乗車率が減ったら、外からお客を連れてくるべきじゃないか。」

存続を希望する地域からもこのような声が聞こえてきますが、そこに当事者意識は感じられません。 

 

 

会社に責任を押し付けてトカゲのしっぽ切りをする体制や、行政(県)の存続計画が悪いという風潮の中では、永遠にこの問題を先送りするだけではないでしょうか。

きちんと目標と計画を立て、官民そして<住民自らが努力する姿勢>を出さなければ、存続を希望する住民にとっても、その他すべての秋田県民にとっても不幸になっていくだけだと思います。

 

 

今日は秋田県で一番の人が動く一大イベント「大曲の花火」。

内陸線鉄道を利用する秋田県民は、いったい何人いるか非常に気になります。

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