秋田県横手市選出 県議会議員|小原 正晃 ( おばら まさてる ) ウェブサイト

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悩む。TPP問題

2011年11月 1日 03:51

眠れません。

明日に控えた秋田県議会のTPPの交渉反対決議案。

非常に悩みます。

 

単純に自分の住んでいる地域を考えた場合はNOです。

しかし、日本全体の将来のビジョンを考えた場合、交渉事体はテーブルに乗せて議論する必要もやはりあると思います。

 

「今あるものを生かした新しい産業を起こす!」

「農業で新しい雇用を!」

と言って選挙に出て、当選させて頂いた私ですが、このTPP問題は非常に難しい問題で、簡単に結論が出せません。

 

まず今自分が思いを持っている地域の農業を考えますと、今より間違いなく厳しい状況になる確率が高くなると思います。

 

輸出などに活路を見い出す農業を考えた場合では、正直この放射性物質の問題や、昔から悩まされている米のカドニウムの問題などを考慮すると、

「日本は世界一安全な基準の農薬で作っています!値段は高いけど安全で安心な、最高の技術で作った、世界一美味しいJAPANブランドです!うめっすど!」

と海外の現場でいくら言っても、今のままの日本の検査基準では一瞬の風評被害で激減すると思いますし、今の輸出額から見ても期待できるマーケットはほんの少しだけだと思うからです。

 

海外に売る戦略をどうしても進めていくのならば、完璧な安全対策をした超ブランド化、他との差別化が不可欠です。

まずはそこにお金を大量投資して、小さくてもこだわりの農業で世界を驚かせるんだ!という圧倒的気構えと方向性がなければ、今のままでは絶対に難しいと感じます。

 

貿易をやっている方からもちょくちょくお話をお聞きしますが、先日は「放射性物質の影響は全然問題なく商売出来るよ。」という話と、「秋田は放射性物質の影響もなく、検査しているから大丈夫っていうけど、行政の言うことは信用にならないね。そして輸送の段階では福島を通るんでしょ?」という心無いことを言われた話と、両極端なお話を聞きました。

海外で今までなかった評価の後者の意見も考えますと、今世界に売っていくことを考えた場合は、プラス点よりもマイナス点の方が何倍も高く、特に口にするものは売れないと思います。 

 

しかしながら今の農業でいいとは思いません。

収入が少なく跡取りがいない、平均年齢65歳の超高齢化農業。米作と補助金漬けの農業。

今のままでいいとは誰も思っていないはずです。抜本的に変えていかなければ、この国の国土を守る農業が、今のままの状態でも<じり貧で衰退していく>のは目に見えています。

 

ではどうするかを考えた場合、私は、個人が信用している個人から買い、「食べ物」の安心、安全や美味しさ、作っている人の考え方についての対価を払うという物流の流れを作っていく農業にシフトしていくべきだと思っています。

物流に補助し、地域格差を無くすことで、遠隔地でも大消費地に攻めれる土台をつくれば逆に生活コストの低い田舎でも勝負できる農業をすることが出来ると思います。

 

そして規制なしに農家に好きなだけ作らせること、逆に米作以外に高い支援をしていくこと、加工品に比重を置いていくことが重要ではないかと思います。

市場や団体での利点はありますが、それよりも「自分で値段のつけれる農業」、そして「買う側も選択できる農業」の割合を高めること、「生産していて意欲のある、声の届く顔の見える農業」をしていくことで、生産者がやりがいを感じる農業にし、自立していくことが一番重要だと思います。

そのためにはある程度、他からの安い物を入れない政策をした方がよいとも思います。

 

消費としてはもう一つ、前回議会でもお話させて頂いた、4兆円産業とも言われる学校給食や公共施設、福祉施設などへの地産地消(国内)ももっと進めていくべきです。

 

 

 秋田県の県内総生産4兆円のうち、農業生産額は1300億円しかなく、数字を見ると非常に弱い産業ですが、すべての基本は一次産業であり、そこから発生している購買力や国土や文化風習、コミュニティ、そしてアイディンティティーを守るといった観点から見るとお金では表せない価値になっていると思います。

 

 

以上は地域農業からの観点です。 

 

 

しかしTPPは農業だけでは考えられません。

農業者に係わりのない消費者にしてみれば、賃金のカットや税金のUPはあってもなかなか上がらない給料を考えると、安い外国産が入ることで生活が大変助かるでしょう。

外食産業なども利益が出しやすくありがたいことでしょうし、不動産、医療の点から見てもデメリットはあるにせよ、また大きなメリットもあるでしょう。

日本が誇る製造業もこの円高で先の見えないデフレの中、参加は希望の光だと思います。

 

輸出大国日本が、世界の競争の中で生きていくには必要なことだという認識も大変わかります。

 いつも保障のある一部の農家が救われて、商売人は常にリスクを背負っているではないか。公平ではないだろう。分かります。

農家も一般の事業主と同じではないか。若者を雇用しているのは、農業ではなく、製造業、サービス業だ。政治家は選挙に強い農業に甘すぎるのではないか。このようなご意見も大変わかります。

 

 

分かりながらコロンブスの卵的に難しいのです。 

 

 

第一に国を考えるのか、地域を考えるのか。

国があっての地域か、地域あっての国か。

 共存する中間地点は無いのか。

日本の900兆円の借金はいつ何の産業で返すのか。農業で返せるのか。

そのために議論するテーブルに着くべきではないのか。

いったんテーブルに着いたら引き返せないのではないのか。

 

 

昨日ちょうど世界人口が70億人になった中、この飽和の時代はいつまで続くのでしょうか。

自給自足できないでこの国の1億2千万人の日本人はいずれ言いなりで高い食糧を買うことになるのでしょうか、それとも参加し稼いだ外貨で、いまの生活レベル以上に生活できるのでしょうか。

 

じり貧なのか、希望があるのか。

アメリカとの関係は?中国かインドかブラジルかロシアかインドネシアかアフリカかか。

今後どの国に重点を置き付き合っていくのか。

 

一番懸念することは、TPPに入ったものの、製造業なども長い円高などにより空洞化が止まらず、農業も衰退し、国に何も残らない状況だと思っています。

 

「国敗れて山河、田畑なし。」

日本においても、秋田においてもこれだけは避けなければなりません。

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