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クマ牧場

2012年4月21日 22:59

<まずはこの場で大変失礼ですが、不幸にもこの事件でお亡くなりになられた、2名の女性のご冥福をお祈りいたします。>

 

昨日から全国ニュースで秋田県の「八幡平クマ牧場」のニュースが流れている。  

 

20日午前10時5分頃、秋田県鹿角市八幡平の「八幡平クマ牧場」でクマが脱走し、女性従業員がクマに襲われ、亡くなられた痛ましい事件だ。

逃げ出したクマ6頭は地元猟友会に射殺された。

クマが逃げ出したオリは高さ約4・5メートルのコンクリートの塀で囲まれており、扉も開いていなかったが、オリの中にある運動場の角には残雪でできた雪山があり、雪山から塀をよじ登ったのではないかと推測されている。

 

テレビでの報道を見ると熊の劣悪な環境、そして 人が行かない→予算がない→餌や人件費、環境整備に回せない→受け入れ態勢も整わず、さらに人が行かない という悪循環のサイクルも取りざたされている。

 

 

今回の事件によって、秋田県の観光におけるマイナスイメージやダメージは計り知れない。

1月の玉川温泉の雪崩事故、そしてこのクマ牧場といい、この数か月の間に民間であれ<秋田県内の観光施設>で一か所のみならず、「受け入れ体制や環境整備」がおろそかにされて事故があったという事実は、我々としても重く考えなければいけないことだと思う。

 

今年度から秋田県では、「観光文化スポーツ部」を設置し、観光を県の産業の起爆剤にしたいと取り組んでいる。

「産業や雇用」を一丁目一番地と言っていたが、昨今の経済状況や製造業界の不振から、県が観光に力を入れていく考えを出した。

そこの考え方はまた色々とあるが後日という事で、今回の観光に関しては、私も観光業界で働いてきた者としても、この分野に積極的にチャレンジしていくことにはなんら異議もなく、一緒に秋田の未来のために頑張りましょう!と思う。 

 

しかし、予算を見るとそうはなかなか言えない。

県民の税金を10億以上使う予算のほとんどが「宣伝とイベント」にしかなく、銀座に大きなポスターを貼ることや、自分たちの雑誌を作ること、東京にイベントをやりに行くことにばかりにお金が使われ、すべて「秋田県さ来て!買って!」と訴えるだけで、<来ていただいてからどうやって楽しんでもらい、感動してもらい、ファンになって頂いてお金を落としてもらえるか>の戦略、そして受け入れ体制と言えるものがほとんどない。

私はこれにかなり違和感を覚える。

 

観光客を呼ぶためには、「秋田さ来て!」ではなく、「秋田にきたらこんなこと体験できるよ」という感覚でなければいけないのではないだろうか。

 

言ってしまえば、温泉も、山も川も海も、美味しいお米も全国どこにでもある。 

その中で秋田を選んでもらうためには「秋田に来たらあんなことやこんなことも出来て、他に行くより得した気分になれるよ」といったことが大事で、その感動によるファンを作る工夫が一番大事だと思う。

 

宣伝にお金を使うよりも、まずは受け入れ体制にお金をかける事。

空港や駅、各観光施設の「人とサービス」の充実を最初に考えるべきだ。

例えば秋田の玄関口の秋田空港には観光案内所もないし、利き酒をして秋田の自慢のお酒を選べることもない。(これを解決するのは簡単な取り組みだと思うし、観光客には大きな需要があると思う。)

この流れで、すべての観光施設に冷蔵庫と色んな種類のお酒を置いて、お客さんが秋田中のお酒を選べる取り組みなんかもいいと思う。

そして秋田県を上げて、飲食店や宿泊施設に「日本酒マイスター」や「お米マイスター」、「野菜ソムリエ」を置く取り組みをしたりして、県内の多くの人が観光客に答えられる知識を持ったり、うんちくを話せることだったりすることにお金をかけてもいいとも思う。

他の地区ではない、秋田独自の受け入れの取り組みやサービスをした方がよっぽどマスコミにも取り上げられ、観光客の口コミのもつながる。

 

言ってしまえばそういうネタになる、記事にしたい取り組みを行っていくことの方が、宣伝にお金をかけるよりもよっぽど浸透するし話題が広がるだろう。

 

そして秋田の様々な観光施設では、売り上げが減少し、現在の施設の老朽化を修繕したり改築したりすることが出来ない中小の民間企業が大変多い。

古くなっていることで、さらに売り上げの悪循環になっている所もかなり多く見られる。

宣伝に10億かけるのであれば、そういった体力のない民間の企業にも補助することも可能だ思う。

 

行政や地方自治の目的は「公共の福祉」。

どこかで線引きをしなければいけないが、民間での事故が頻繁に起こり、秋田県のマイナスイメージが多くなっていくよりも、民間の受け入れ体制にもきっちりした形でお金を投入していく方がよっぽど秋田県にとって「公共」になり、「全体の福祉」に有効なのではないだろうか。

 

来年のDCだけの一過性で終わらせるのではなく、息の長い秋田県の基盤産業にするためには、ただお金を簡単にばらまいて使うのではなく、それこそしっかりした「秋田びじょん」を持つべきだ。

 

震災不況から未だ抜け出せずにいる秋田県の観光業界は、またこの事故のイメージを払拭するまで、多くの時間を要してしまうだろう。

このことを忘れず、今年度も秋田県の観光の「受け入れ体制」の問題について正面から取り組んでいきたい。

 

 

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