先日、秋田内陸縦貫鉄道株式会社の若杉社長が辞意を表明したというニュースに大変驚きました。
若杉社長の経歴は多くの県民が知る所で、リクルートの広報室長、安比高原リゾートの責任者などを歴任され、その後、累積赤字が1億円ほどあった秋田ふるさと村を立て直すために専務として来秋され、3年間で単年度黒字化に導かれました。
その一方で田沢湖高原リフトの社長も兼務され、立て直しを図らなければいけない秋田県の第3セクタ―の観光ビジネスでご尽力頂き、民間ならではの新しいアイディアと経営手腕で大きな成果を上げられて来ました。
横手市の観光協会や道の駅十文字の設立にも係わって頂き、秋田県のみならず、横手市においても重要な観光のキーマンとしてご活躍されております。
(※余談ですが、私も若杉社長とは秋田ふるさと村の職員時代から一緒に働かせて頂いており、その発想力と行動力、周りに与える影響力、そして構想を実現に持って行く組み立て方やそのお人柄など、非常に感銘と影響を受けました。また従業員や係わったスタッフにも「こんな人になりたい」と思わせる、不思議な力を持った人だと思っております。)
若杉社長はその手腕や能力を買われて、2009年6月に内陸線初の民間出身の社長として就任されました。
立て直し事が難しく、秋田県でも大きな課題となっているこの内陸線で、誰もが出来なかったことに挑戦し、アイディアと行動力を持って現状を「変えれる人」だと思っていただけに、改革半ばでの辞意は大変残念で仕方ありません。
(取り組みの一部)
http://blog.livedoor.jp/nairikutetu/archives/50711771.html
内陸線は12年度に経常赤字2億円以内を達成できない場合、経営構造を抜本的に見直すことになっており、昨年の決算上で赤字は約2億5752万円と大変厳しい経営状況が続いています。
しかしこれは会社や社長の努力が足りないというレベルの物ではないと思っております。
定期券購入率や住民の利用が前よりも格段に落ち、周辺住民の乗車意識と危機意識が下がってきた事が大きな要因です。
この安心感を与えてしまったのが佐竹知事就任時の「内陸線は存続させる。」という発言ではなかったのかと思われます。
様々な取り組みを行っていても最後は「残したいという住民の意志」が重要になってきます。
「自分は利用しないけど、残して欲しい。」
「住民の乗車率が減ったら、外からお客を連れてくるべきじゃないか。」
存続を希望する地域からもこのような声が聞こえてきますが、そこに当事者意識は感じられません。
会社に責任を押し付けてトカゲのしっぽ切りをする体制や、行政(県)の存続計画が悪いという風潮の中では、永遠にこの問題を先送りするだけではないでしょうか。
きちんと目標と計画を立て、官民そして<住民自らが努力する姿勢>を出さなければ、存続を希望する住民にとっても、その他すべての秋田県民にとっても不幸になっていくだけだと思います。
今日は秋田県で一番の人が動く一大イベント「大曲の花火」。
内陸線鉄道を利用する秋田県民は、いったい何人いるか非常に気になります。
肩と足腰が痛かったのですが時間が経ち、少し良くなってきました…。
16日の横手の送り盆で屋形船を担いだ後遺症です。
初めて担いだ屋形舟のその重いこと!
しかも当日は雨が降り、藁の舟がさらに重みを増したようで運動不足の体には堪えましたが、大変感動して帰ってきました。
いつもは見る側だったのですが、今年から担ぐ側になり、実際やってみると(百聞は一見にしかずですね)お祭は地域や周囲、そして家族の理解がなければなかなか出来ないものだということがわかりました。
舟を作るにはまず昨年の藁を乾かし保存することから始まります。その藁を結い、舟のパーツを作っていきます。横手で藁を結える人もほとんどいませんので、ここだけでも数か月もかかる大変な作業です。
そして屋台舟の骨組みとなる部分を山から刈り取って運び、大きな船の雨風よけとなる製作場を作ります。ここだけでも何人もの男衆が仕事の合間を縫って夜や土日をかけ、何日もかけて準備をします。
製作場を作った後、屋形船の製作を進めながら、太鼓や笛の練習をしていきます。練習では子供たちも多く参加しますので毎回食べ物や飲み物の準備、後片付けなどの仕事もあります。
年代性別を超え、何十人もの人間が係わり、1日のお祭りのために多くの時間やお金をかけ、地域の方々が協力し合って一つの目標に向かって行動する。
これを毎年続けている地域の方々は、今は薄くなったといわれる地域コミュニティがとても発達している良い地域だと思いますし、防災や防犯の観点からも安全レベルがとても高く、住みやすく安心できる町であるといえるでしょう。
これからの街づくりや地域づくりにも大変重要なソフトであり、教育や文化の観点からも最高の教科書であると言えます。
お祭りなどの明るさとエネルギッシュに前を向いて動いていく地域の方々を見て(身体はボロボロですが)、久しぶりに元気を注入して貰いました。
このように政治も、みんなが地域を盛り上げていきながら参加していくという機運を作っていかなければなりませんね。
エネルギー充電!
さあますます秋田を、横手を盛り上げていきましょう!
明日は音フェス。横手イーストにて開催です。
http://yokote.co.jp/oto/yokooto.html
石町の屋形船 盆踊り時に子供を乗せ記念写真
大変残念ですし、非常に考えさせられる問題です。
最近テレビで放送されている、京都大文字焼きの松問題。
毎年8月16日に行われる、京都の「五山送り火(大文字焼き)」で東日本大震災で倒れた岩手県陸前高田市<高田松原の松>を材料とする薪を燃やす計画が、放射能汚染を懸念する意見が相次いだことを理由に、被災地の薪の使用を見送ることを決め、結果陸前高田市で送り火として使用されました。
「五山の送り火には魂を慰めるため、国の安寧という意味合いがあるにもかかわらず、名折れじゃないですか。」
このように被災地の松を使わないことを責める声がある反面、きちんと検査され、放射線物質がまったく検出されなかったという科学的根拠もある中、検出放射能が残存しているかもしれないから危険、中止せよという声が数十件寄せられ中止になったという事実が、この問題の根本的な本質であり、少なからず消費者の心理でもあると思います。
今現在、農畜水産物すべて放射線物質が出ていない秋田県。
しかし、東北というだけで、起こりうる非買運動。
今ここが、この時期こそが消費者の心理のなかでイメージを構築するチャンスでもあり、もしかしたら最後のボーダーラインとなってしまうかもしれません。
キッチリと正確に、そして迅速に、すべての農産物などをチェックしていく体制を整えることが、日本の食糧を支えていく「農業王国秋田」の明日を作る一つ一つの積み重ねになっていくと思います。
「がんばろう東北、がんばろう秋田」が言葉だけでなく、本当に頑張れるか、今試される時がきています。
さあ、動ぐっすべ!